報告 蛇皮三線の海外持ち出し

報告 蛇皮三線の海外持ち出し

三線に使用されるニシキヘビの皮は、ワシントン条約に抵触するため、手続きをしないと没収されてしまいます。

税関に問い合わせ、書類を作成したので、レポートします。

1:書類の作成
2:私の実体験(無事でした!)
3:コメント


注意 私の体験です。実行する場合は、自己責任でお願いします

1:書類の作成

蛇皮三線の海外持ち出しは、二通りの方法があります。

1)ワシントン条約の正規の手続き
2)上記の手続きをしない


1)の方法は、100パーセント安全・確実です。しかし、4月12日の日記で書いたように、プロ歌手の大工哲弘さんのお話では、「法務省、外務省と盥回しされたことがあります」とのこと。そのため、大工哲弘さんは、海外には人工皮の三線を持って行きます。また、よなは徹さんも、4月13日の日記に書いたようにトラブルを避けるために人工皮です。

2)の方法でも、色々な人の体験をネット上でお聞きしたところ、「没収された」というお話はありませんでした。何も書類を作成しないのは不安なので、沖縄の税関に問い合わせ、以下の書類を作成しました。

1)税関様式C第5340 輸出輸入託送品(携帯品・別送品)申告書
2)携行品に関する詳細説明
3)相手からの招待状


報告 蛇皮三線の海外持ち出し

1)税関で書いた書類です

いきなり税関に行かず、何度も電話で問い合わせて確認しました。三線の取り扱い経験のある、那覇の税関です。
(沖縄地区税関 税関相談官 電話098ー863ー0099)

何度も念押しされましたが、「ワシントン条約の正規の手続きではない」「日本の出国、再入国を保証するが、相手国への入国、出国を100パーセント保証できない」とのことでした。

行きは福岡経由だったので、書類作成は福岡の税関となります。事前に電話したら、「取り扱い例が無い、沖縄の税関に確認する」と言われ、折り返し電話があり、「沖縄に確認した通りにできます」と言われました。三線の現物と印鑑を持ってくるように言われました。

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2)携行品に関する詳細説明を韓国語、英語、日本語で作成 (写真付)

これは税関で必要な書類ではありませんが、トラブルに備えて自主的に作成しました。韓国語と英語は、翻訳サイトで作成したので、多少は変かもしれません。

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3)相手からの招待状

これも税関で必要な書類ではありませんが、作成しました。三線は、販売目的ではないことを証明するためです。

2:私の実体験(無事でした!)

個人旅行でなく、ツアーなので、時間を取られることが心配でした。まず、那覇空港から福岡空港へ。国内線は、問題ありません。破損防止のため、すべて機内持ち込みです。

福岡に着くと、国内線から国際線までシャトルバスで移動。国際線ターミナルの税関へ。まず、税関入り口で氏名を書いて、番号札をもらって入室します。テロ対策からか、緊張しました。事前に電話をしていたので、手続きはスムーズに。上の写真の書類を作成しました。

結果的には、福岡~韓国 韓国~沖縄とも、三線はチェックされませんでした。

3:コメント

結論的には、何も対策しなくても同じでした。しかし、何も書類を作成しないと、安心して旅に出れません。今回は、韓国で三線を演奏するプログラムがあったので、「没収されました」とは言えません・・・。

今回は、ノーチェックを前提にしています。国によって対応は違うので、あくまで参考までに。

テロ対策で、機内持ち込みの液体は100ミリグラム以下、ハサミは厳禁なので、こちらに注意すべきです。三線のチューニング用のチューナーも、小型で電池を使用するので、三線ケースから出して電池も外しておきました。

今回は、1)私は蛇皮三線しか持っていない 2)三線ブログの管理人である ・・・そこで、あえて蛇皮三線を海外へ持ち出してみました。リスク&面倒なので、必要性がなければ、人工皮をおすすめします。

皆様の体験、ご意見をお待ちしています。
















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この記事へのコメント
顛末を読めて良かったです。
韓国は問題なしですが、その他の国はどうかはわかりません。
私の三線仲間の話ではイタリアは「本皮三線は危ない」ということでした。
Posted by 朱鷺 at 2008年05月15日 22:09
記事に書きましたが、1)完全な手続き 2)ノーチェック前提 ・・・私はノーチェック前提ながら、書類を作成しました。

どこの国でも1)を求めて大使館に聞いたら、前例が無いため、タライ回しの可能性が大です。

「ノーチェックが前提、結果オーライ」なら、どこの国でも行けます。しかし、お勧めできる方法ではありません。

三線屋さんが、証明書を発行してくれると良いと思います。
Posted by satoshi@沖縄三味線天国 at 2008年05月15日 23:06
はじめまして。
1年以上も前の記事に遅いコメントとなり恐縮です。この夏(09年)海外に三線を持ち出す機会があり(ちなみに、行き先はヨーロッパの西の果てでした)、このカテゴリーの内容がとても参考になりました。まずは御礼申し上げます。
さて、今回持ち出したのはやはり人工皮にしました(もちろん通関のトラブルだけではなく現地の気候を考慮してのことです)。で、某北欧系のエアラインを使ったのですが、チェックインの際に楽器ケースの中身をたずねられ、何でもバイオリン以外の楽器の機内持ち込みは規定により一切できないとのこと。幸いセミハードケースをかついでいたので(バイオリンのセミハードケースのなかに三線のそれとほぼ同じサイズのものがあります)、つい「バイオリン。。。です」(汗)といって持ち込ませてもらいました。
ヨーロッパ路線は荷物制限(重量など)がけっこうタイトなのですが、とくに最近は持ち込み荷物も計量されたりすることがあるようですので、エアラインによってはこのあたりも厳しくなっているのかもしれませんね。
ご参考になりましたら幸いです。
Posted by gaiteiro at 2009年09月05日 00:44
>gaiteiro 様

コメントありがとうございます。楽器の持ち込みも、スペースの関係で嫌がられることが、ありますね。それでも断固として「機内持ち込み」を主張すべきでしょう。

各社において、機内持ち込みのサイズが厳しくなる傾向なので、今後も情報収集が必要ですね。知人にバイオリン奏者がいるので、聞いておきます。

国際線の「持ち出し禁止」の展示物に、蛇皮を使用した「二胡」もありました。トラブルを避けるためには、人口皮になります。
Posted by satoshi@宜野湾 at 2009年09月05日 09:24
 
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