台湾原住民(ユエンツミン)を訪ねて、台湾の南東部の都市「台東」まで行ってきました。
台湾原住民(ユエンツミン)とは?
17世紀に台湾に漢民族が移民する前に住んでいたのが、原住民(ユエンツミン)です。日本語では「先住民」となりますが、中国語で「先住民」というと「既に滅んでしまった民族」という意味になるので使用しません。かつては50以上もの部族があったそうですが、日本の植民地〜中華民国となるうちに強制的な同化政策や、小さな部族の統合により現在では13部族になっています。現在は台湾の人口の2パーセントで、大部分がキリスト教です。
日本の植民地時代は、「高砂(たかさご)族」と呼ばれていました。これは部族の総称で、こうした名前の部族はありませんし、この名称を現在用いることもありません。中華民国の国民党は、原住民(ユエンツミン)を「山地同胞」としました。それは、徹底的に漢民族と同化して消滅させる政策でした。そのため土地も人口も減少しています。
90年代の社会の民主化の中で、ようやく「台湾原住民」(ユエンツミン)として社会的に認められるようになりました。名刺を頂くと、民族名(本名)と中国式の二つの名前がありました。日本の植民地時代を経験した方になると、かつては「日本名」を強制されたので、3つの名前を持つことになります。
台湾原住民(ユエンツミン)の一つである
「布農(ブヌン)族」の教会の礼拝に出席しました。台湾基督長老教会に属する教会です。
http://www.pct.org.tw/原住民(ユエンツミン)の多くがキリスト教です。教会の聖歌隊も民族衣装です。
学校教育では、いわゆる「国語」(北京語)が使用され、子供たちが民族の言葉や文化を学ぶことはありません。教会では民族の意識を高めるために、民族の言葉による聖書や讃美歌が使用されています。民族の伝統的な歌唱方によるアカペラ&合唱の讃美歌もありました!
牧師のお話 徹底的に存在を否定され、抹殺されようとした台湾原住民(ユエンツミン)。教会が一生懸命に民族の教育をすることは、原住民(ユエンツミン)の
「復活」なのだ、と聞きました。ちょうど、イエス・キリストが十字架に掛けられ、墓に納められても復活したように・・・。
沖縄の歴史と重なる部分も感じました。私に出来ることは、沖縄から持参した
三線を弾くくらいでした・・・。
ちなみに今回の訪問は、そうとう田舎で、若い人は都会に働きに出てしまう過疎の村でした。始めての台湾旅行が、一般の台湾人も行かない場所でした!!!