方言ではなく「うちなぁぐち」@比嘉光龍さん

satoshi@宜野湾

2009年02月13日 23:14



「方言あいびらん、うちなぁぐち」(方言ではなく、うちなぁぐち)

琉大留学生センター10周年記念公演

講師:比嘉光龍さん(唄三線者)
対談:ハインリッヒ・パトリック博士(ドイツ、現在は琉大客員研究員)

*比嘉光龍さんからメールでご案内があり、行ってきました。たっぷり、お勉強です!


山路(やまじ)踏み分けてぃ 道知らば我身(わみ)ぬ
たとぅい今(なま)死ぢん ぬ恨みゆが


意味:山道を踏み分けて人の生きる道を知ることが出来たら、たとえ今死んでも、何も恨むことはない

程順則(てぃーじゅんすく)・名護親方(うぇーかた)の琉歌を説明

何度も中国に留学した人なので、「論語」の影響を感じます。



山路(やまじ)踏み分けてぃの琉歌を、「かぎやで風」「安波節」のメロディーで歌います。

歌の後は、沖縄の歴史をたっぷりと学びました。

「数百年も続いた琉球王国、日本の領土になって100年ちょっとなのに、その言語が方言と呼ばれて下に見られるのはおかしい」と、光龍さんは力説しました。



ドイツ人のハインリッヒ教授との対談です。それぞれの発言を、まとめました。

ハインリッヒ教授

*世界に7000言語あるが、今世紀で半数は消滅する「危機言語」と言われる。
*世界のほとんどが多言語の国家。中国には256言語あり、アラビア語で表記する言語もある。
*現在、うちなぁぐちを自由に使える人は3万人程度、50年前ならほとんどの人が理解できた。
*「うちなぁぐち」が、危機言語という危機感がない
*世界の言語学では、うちなぁぐちは「Okinawan language」(沖縄語)と認識されている。
*1972年の施政権返還(いわゆる本土復帰)に向けて、標準語が教えられた。日本の「一つの言語と国家」というアイデンティティに向かっていった。
*うちなぁぐちが「方言でなく言語」というと、沖縄の人が「少数民族」と定義される。しかし、日本の「少数民族」(在日、アイヌ)は抑圧され印象が良くないので、沖縄が「少数民族」と呼ばれることに抵抗があるのか? どうでしょう。
*うちなぁぐちの学際的な研究が足りない。歴史と言語学の共同が必要。
*大切なこと 話せる人が話すこと。そうすれば、一気に盛り上がる。 首里城よりも価値あるうちなぁぐち

光龍さん

*うちなぁぐちの大切さを教えるハインリッヒ教授に、足を向けて寝られない(笑)
*昨年はドイツの大学でうちなぁぐちを講義した。しかし、那覇で話してもほとんど分からない言葉。
*ドイツ人より、沖縄でうちなぁぐちを学ぶべき! 



最後は、無理やり!? カチャーシーで終了です。

光龍さんは、うちなぁぐちを多用したので、分からない人は隣の人と一緒に笑っていましたね!
今回は、お誘いいただき、ありがとうございます。
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