方言ではなく「うちなぁぐち」@比嘉光龍さん
「方言あいびらん、うちなぁぐち」(方言ではなく、うちなぁぐち)
琉大留学生センター10周年記念公演
講師:比嘉光龍さん(唄三線者)
対談:ハインリッヒ・パトリック博士(ドイツ、現在は琉大客員研究員)
*比嘉光龍さんからメールでご案内があり、行ってきました。たっぷり、
お勉強です!
山路(やまじ)踏み分けてぃ 道知らば我身(わみ)ぬ
たとぅい今(なま)死ぢん ぬ恨みゆが
意味:山道を踏み分けて人の生きる道を知ることが出来たら、たとえ今死んでも、何も恨むことはない
程順則(てぃーじゅんすく)・名護親方(うぇーかた)の
琉歌を説明
何度も中国に留学した人なので、
「論語」の影響を感じます。
山路(やまじ)踏み分けてぃの琉歌を、
「かぎやで風」や
「安波節」のメロディーで歌います。
歌の後は、沖縄の歴史をたっぷりと学びました。
「数百年も続いた
琉球王国、日本の領土になって100年ちょっとなのに、その言語が
方言と呼ばれて下に見られるのはおかしい」と、光龍さんは
力説しました。
ドイツ人のハインリッヒ教授との対談です。それぞれの発言を、まとめました。
ハインリッヒ教授
*世界に7000言語あるが、今世紀で半数は消滅する
「危機言語」と言われる。
*世界のほとんどが多言語の国家。中国には256言語あり、アラビア語で表記する言語もある。
*現在、うちなぁぐちを自由に使える人は3万人程度、50年前ならほとんどの人が理解できた。
*「うちなぁぐち」が、危機言語という
危機感がない。
*世界の言語学では、うちなぁぐちは「Okinawan language」
(沖縄語)と認識されている。
*1972年の施政権返還(いわゆる本土復帰)に向けて、標準語が教えられた。日本の
「一つの言語と国家」というアイデンティティに向かっていった。
*うちなぁぐちが「方言でなく言語」というと、沖縄の人が
「少数民族」と定義される。しかし、日本の「少数民族」(在日、アイヌ)は抑圧され印象が良くないので、沖縄が「少数民族」と呼ばれることに抵抗があるのか? どうでしょう。
*うちなぁぐちの学際的な研究が足りない。歴史と言語学の共同が必要。
*大切なこと 話せる人が話すこと。そうすれば、一気に盛り上がる。
首里城よりも価値あるうちなぁぐち
光龍さん
*うちなぁぐちの大切さを教えるハインリッヒ教授に、足を向けて寝られない(笑)
*昨年はドイツの大学でうちなぁぐちを講義した。しかし、那覇で話してもほとんど分からない言葉。
*ドイツ人より、沖縄でうちなぁぐちを学ぶべき!
最後は、無理やり!?
カチャーシーで終了です。
光龍さんは、うちなぁぐちを多用したので、分からない人は隣の人と一緒に笑っていましたね!
今回は、お誘いいただき、ありがとうございます。
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